地熱開発、特に地熱発電のための深部の貯留層開発においては、地熱構造モデルあるいは地熱構造概念モデル構築は必要不可欠な作業である。事業の企画から、開発地点選定、掘削、貯留層評価、開発後の貯留層の維持、管理などのあらゆる段階で必要である。地熱構造は、地熱貯留層の存在や広がり、貯留される地熱流体の特性、貯留層の形成メカニズムなどを示した地下の地熱構造図である。したがって、地下の地熱構造モデルの良し悪しは、事業やプロジェクトの成功を大きく左右する。しかしながら、地熱構造モデルの重要性については、事業の関係者にそれ程理解されていないように感じる。制度の高い地熱構造モデルの構築には、多くの経験や暗黙知が盛り込まれることから、地熱構造を熟知した経験豊富なエキスパートでなければならない。。
しばしば、地元説明会などで地熱構造について説明すると、地下のことがそんなにわかる訳がない、想像の産物だろうとの指摘を頂くことが多い。そんな時に、私は、地熱構造モデル構築には、ルールや法則があるのですよ。したがって、私は、エキスパートが書いた地熱構造モデルはほぼ同じようになりますと答えている。
