地熱エネルギーの利用をビジネスにするには、地熱の利用方法についてまず知ることから始めることになる。大きくは、温泉・観光利用、地熱発電利用、温泉水・地熱水の多角的利用の3つである。温泉・観光利用は、日本国内の多くの場所で古くから温泉エネルギーとして活用されてきた。
地熱発電事業は、日本国内では、1970年から本格的な商業運転に入り、今も積極的に開発が行われている。日本を支える重要なエネルギー源である。しかしながら、地熱発電の事業化は思うようには進んでいない。その原因については、別の機会にお話ししたい。
温泉水・地熱水の利用は、主として温泉、発電などに利用された温泉水や地熱水の熱を利用して温室栽培や養魚など多角的に利用しようというものである。これらもまた上手く活用が進んでいない。地熱発電事業が経済性が低く、事業化が進まないのは、下流側に熱水利用事業が進まないためである。現在の日本の地熱利用の大きな課題である。